本記事では、動画「価値創造思考」(問題解決型企画シリーズの第3ステップ)を紹介します。問題解決や課題達成だけでは生まれない、「その商品・サービスがなぜ存在するのか」という意味づけまで踏み込む価値創造の考え方がテーマです。
問題解決・課題達成の次に来る価値創造
動画では、思考の段階を次のように整理しています。
- 問題解決:現状の不具合や「困りごと」を減らし、マイナスをゼロに戻す段階
- 課題達成:目標やKPIを設定し、理想と現状のギャップを埋めてプラスを伸ばす段階
- 価値創造:そもそも何のためにその成果が必要なのかという「意味」や「存在意義」を再定義する段階
単に売れない原因をつぶすだけでなく、「この商品が提供する体験や変化は、顧客や社会にとってどんな価値なのか?」を問うことが価値創造思考の出発点だと説明されています。
顧客の未認知ニーズから価値を設計する
価値創造思考では、顧客自身もまだ言語化できていない未認知ニーズや潜在ニーズに着目します。
- 既存の不満解消だけで企画を終わらせず、「本当はどうありたいか」という理想状態を描く
- 顧客体験のストーリーから、感情の起伏・印象に残る瞬間を読み取り、価値コンセプトに翻訳する
- 「機能の差」ではなく「意味の差」「体験の差」として、模倣されにくい価値を設計する
このとき、単発のアイデアではなく、継続的に新しい価値を生み出すための思考フレームとして活用していくことが重要だとされています。
価値創造思考を支える3つの視点
動画では、価値創造を支える視点として、次のようなポイントが強調されています。
- Why(なぜ):なぜそのプロダクト・サービスが必要なのか、どんな変化を起こしたいのか
- For whom(誰のため):誰のどんな文脈・状況に寄り添う価値なのか
- What / How(何を・どう):具体的な機能・体験・提供方法としてどう具現化するか
この3つを往復しながら仮説検証を行い、顧客が「価値がある」と感じるラインまで磨き込んでいくプロセスが、価値創造思考の中核になります。
組織に価値創造思考を根付かせるには
価値創造は一人の天才に任せるのではなく、組織として再現可能な思考にする必要があります。
- 現場の気づきや顧客の生の声を組織全体で共有する仕組みを作る
- 問題解決・課題達成のプロジェクトの中で、「この取り組みの意味は何か?」を問いに加える
- 成果指標を売上やコストだけでなく、「顧客価値」「体験の質」も含めて設計する
これにより、「売れないから対策する」から「どういう価値を生み続けたいか」を軸にした商品企画・組織運営へシフトできると語られています。
まとめ
問題解決や課題達成だけでは到達できない、商品・サービスの存在意義まで踏み込むのが価値創造思考です。製造業やB2Bの企画・開発・マーケティングに携わる方にとって、差別化と長期的なブランド価値を高めるうえでヒントとなる内容の動画です。
