商品企画の手法やフレームワークは、今や多くの企業で共有されています。
しかし、実際の現場で「アイデアが形にならない」「本当に顧客に響く商品が生まれない」
といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

■ 若者の「飲まない」理由を超える顧客体験

若者の「飲まない」理由を超える ― 産学連携による共創型マーケティングの実践しました。

産学共同研究において、私は日本酒メーカーと連携し、
「若い女性は本当に日本酒を飲まないのか?」という既成概念を再検証する
プロジェクトに参画しました。

メーカー側は、「日本酒=年配男性の飲み物」という固定観念を抱えており、
若年層へのアプローチに課題を感じていました。そこで学生には次のような役割が期待されました:
・本当に若者、とくに女性が飲まないのかの実態調査
・新たな飲用シーンや意外性のある企画の創出
・潜在的なニーズの掘り起こし

このプロジェクトの中で特に印象的だったのは、日本酒が苦手だった女子学生が、
「自分たちの考えた企画なら飲んでみたい」と感じた瞬間です。
たとえば、「美容に特化した日本酒」「成人祝いとして父に贈る家族の絆を深める日本酒」などの提案は、
単なる商品開発を超え、体験価値を重視したアイデアでした。
これは、顧客が「飲めるかどうか」ではなく「飲みたいかどうか」で動くという、
本質的なニーズに迫った成果でした。

この中で私は、
・仮説検証型のマーケティング設計(飲用シーンの仮定 → 調査 →評価)
・定量的なデータによる価値検証(“飲みたいか・買いたいか”のアンケート分析)
・チーム全体のアイデアを意味ある提案へ導くファシリテーション
を担い、プロジェクト全体の質と納得感を高める役割を果たしました。

この経験から私は、生活者視点と企業課題をつなぐ共創型の企画力を実践的に学びました。

また、取り組みは、ただのアイデア会議やフレームワークだけでは到達できなかった“共感”を呼び、
メディアにも取り上げられるヒット企画となりました。

■ 手法や知識だけでは突破できない壁

「手法は知っているのに、なぜヒットが生まれないのか?」
その答えは、現場の人材が自発的に動き、
共感し合いながらアイデアを磨き上げる“場”や“仕組み”が不足しているからです。

・ 形式的な会議だけで終わっていませんか?
・ 顧客の声を“数字”や“アンケート”だけで済ませていませんか?
・ 社内の多様な意見を引き出す工夫はできていますか?

現場のリアルな課題や、そこにいる“人”の熱量を引き出すことが、ヒット企画の原動力です。

■ 今こそ、「人」と「現場」を起点にした商品企画を

もし今、

・ 「現場がなかなか動かない」
・ 「アイデアが形にならない」
・ 「顧客に本当に響く商品企画を生み出したい」
と感じているなら、“現場のリアル”と“共感”を軸にした新しいアプローチを始めてみませんか?