情報も人材も揃い、外部の知見も簡単に入る時代になったにもかかわらず、なぜか「期待した成果」が出ない。そんな閉塞感を感じている経営者やリーダーは少なくありません。解決策や新しい手法をいくら追加しても状況が変わらない時、疑うべきは「答えの出し方」ではなく、そもそも「何を解くか」という「問い」そのものにあります。

解決策の過剰供給が招く「再現しない」という罠

経営課題に直面したとき、私たちはつい新しい制度の導入や、最新のマーケティング手法といった「手段(解決策)」を増やしてしまいがちです。しかし、どれほど優れた手法であっても、それが自社の真の問題と噛み合っていなければ成果は再現しません。能力や努力の問題ではなく、解決方法が多すぎる現代だからこそ、最初に立てるべき「問い」が不在のまま走り出してしまうことが、最大の停滞要因となっているのです。

「答えがある状況」に慣れすぎた組織の限界

私たちは幼少期から、用意された問いに対して正解を出すことに慣れすぎています。しかし、現代の複雑化したビジネス環境では、誰も問いを立ててはくれません。「答えを出すスピード」を競うあまり、その答えが本当に解くべき課題に基づいているのかを確認する工程が抜け落ちていないでしょうか。正解探しに依存する組織では、AI時代において真に価値のある「問いを立てる力」が失われていくリスクがあります。

思考の設計:答えを探す前に「問い」を疑う

今、経営層や管理職に求められているのは、蓄積された知識を動員して答えを出すことではなく、既存の問いそのものを疑う「思考の設計」です。「解決策を増やしても解決しない」という違和感こそが、問いを再定義すべきサインに他なりません。何を解くべきかを正しく定義し直すことで、バラバラだったチームの思考が揃い、的外れな施策にリソースを浪費する悪循環を断ち切ることができるようになります。