「Customer Value Creation and Product Planning Methods in Business Management」
2025年9月1日~4日、東京・新宿のベルサーチ新宿グランドにて、
国際品質会議(ICQ2025)が開催されました。
メインテーマは “Quality Next” です。
弊社 Planning System Consulting Corp. は、
新事業開発セッション にて以下の通り口頭発表を行いました。
発表日時:9月2日 15:20–15:40(質疑応答5分含む)
発表形式:口頭発表
発表者:代表取締役 石川知雄
発表概要
発表タイトルは 「Customer Value Creation and Product Planning Methods in Business Management」 です。
本発表では、弊社が取り組む 顧客起点の商品企画手法 について、
従来の 商品企画七つ道具(P7) と、改良型の 新・商品企画七つ道具(NeoP7) を活用しながら、
事例を交えてご紹介しました。
主なポイントは次の通りです。
顧客の潜在ニーズ発掘:観察と仮説検証を重視
体系的手法の活用:インタビュー、アンケート、コンジョイント分析、品質機能展開
CX(顧客体験価値)・CS(顧客満足度)・EX(従業員体験価値) の統合的マネジメント
発表のポイント
「モノ」から「コト」へ
市場が成熟し競争が激化する中で、単なる製品の価値では差別化が困難。
顧客は「モノ」ではなく「コト(経験・ストーリー)」を求めている。
例:ドリルが欲しいのではなく、「穴を開けたい」という目的。
QCストーリーの活用
「問題把握 → 目標設定 → 要因解析 → 対策立案 → 実行 → 効果確認 → 定着」の流れを応用。
特に「技術起点」から「顧客起点」へ視点を転換するうえで有効。
P7とNeoP7の役割
P7:インタビュー調査、アンケート、ポジショニング分析、アイデア発想・選択、コンジョイント分析、品質表。
NeoP7:仮説発掘(フォト日記、仮説アンケート)を加え、より顧客観察を重視。
事例紹介
ミニコンポ:男性向けデザインが女性に不評 → 使用状況観察から「かわいい・スタイリッシュ」へ刷新。
コピー機:性能優先 vs. 省スペースの意見対立 → コンジョイント分析で検証し、省スペース型が支持。世界初の内部排紙機能付きコピー機が誕生。
歩行支援ロボット:高齢者や足の不自由な方の行動観察 → 階段・歩行をサポートし、スキップまで可能に。工場作業効率にも貢献。
ウイルス対策製品(未実現):インフルエンザ流行期の生活行動を観察し仮説提案 → 技術融合が叶わず製品化に至らず。COVID-19下でその有用性を痛感。
価値経営の提案
ピラミッド構造:
基盤=技術・品質
中段=CX・CS・EX
頂点=持続的成長
P7/NeoP7を組み合わせ、アイデア発掘から価値検証、仕様設計まで一貫して進める。
質疑応答の内容
ファシリテータからは:
コンジョイント分析の有効性(比較可能な点が強み)
CX・CS・EXを展開する際の留意点
についてコメントと質問をいただきました。
海外参加者もいましたが、質疑は主に国内の専門家からでした。
弊社の「CX–CS–EX連関アプローチ」への関心が高かったと感じています。
今回の学びと今後の方向性
本発表を通じて得られた3つの示唆は以下です。
顧客価値創造は従業員体験と不可分である
P7/NeoP7は現在でも有効な商品企画フレームワークである
持続的成長には「価値経営」が欠かせない
今後も、顧客の現場観察・潜在ニーズ発掘を出発点に、
技術と品質を基盤に据え、
顧客価値と従業員創造力を結びつけることで、
企業と社会双方に貢献するイノベーションを実現してまいります。
おわりに
ICQ2025という国際的な場で発表できたことを光栄に思います。
弊社は今後も 顧客起点の商品企画 と 価値創造の実践 を通じ、
CX・CS・EXの向上を支援してまいります。